しばらく和式刃物の紹介が続いたので、今回は洋物。
レザーマンのウイングマンです。
昨年発売されたNEWモデルですな。
材質:ハンドル/ステンレス
サイズ:9.7cm(3.8インチ/収納時)
重量:約198.4g
スペック:スプリングアクション・ノーズプライヤー/レギュラープライヤー・新機構ワイヤーカッター・420HCコンボナイフ(直刃/波刃)・パッキングオープナー・木/金属用ヤスリ・マイナスドライバー(中)・プラスドライバー・栓抜き/缶切り・ワイヤーストリッパー・ハサミ・定規(2.54センチ、1インチ)・取り外し式ポケットクリップ
「日本正規輸入品」
FULL SIZEでコストパフォーマンスが高い人気モデル。閉じた状態から使える大型ハサミが特徴。
ちなみにこの手のマルチツールやスイスアーミーナイフですが、日本国内では殆ど使い道がありません。
参考リンク:
マルチツール、軽犯罪、検索(google)
諸外国では街中で携行したり車に常備して、いざという時にさっと出して使える便利な道具な訳ですが、日本では2000年頃からこの手の『道具』の取り締まりが強化されていて、所持していると銃刀法や軽犯罪法で微罪逮捕、何時間も拘留されて指紋採取の上、没収されます。
先日は震災ボランティアの方が所持していて身柄を拘束された、なんてニュースもありました。
昨年の大震災後に万が一の用心の為に購入された方も多いと思いますが、キーホルダーに付けて日常持ち歩いたり、車に保管しておく事はできません。
週末キャンプに行って、近々又行くからと車の中に入れっ放し・・・近年有名な漫画家がこのケースで逮捕されています。
バイクや自転車に乗る方は工具代わりに持っている事が多いと思いますが、長期ツーリング中は兎も角、通勤程度では持ち歩いていると逮捕の可能性が高い。
ブレードレスタイプと言う、ナイフを取り除いたツールも販売されています。
最近は雑誌の付録で付いていたりしますね。
ところがナイフが付いてなくても、軽犯罪法でハサミが引っ掛かるので、現実的には携行が不可能です。
それじゃあハサミを取り除いたら携行OKなのか?
極端な話し、全てのツールを取り外してハンドルだけ持ち歩いていても、金属製のハンドルが『凶器』と見なされれば逮捕されるかも知れないのです。
何しろ軽犯罪法と言うのは現場の警察官が、幾らでも法律を拡大解釈して取り締まりができるので、ネット上では電池が切れた懐中電灯を『棍棒』として逮捕なんて話も・・・栓抜きを凶器と言い張る全日本プロレスのアナウンサーみたいな警察官もいるかも知れない。
自宅や職場なら、ちゃんとした工具があるので、わざわざマルチツールなんて使いません。
そんな訳で、大抵の人は購入しても使う機会が無いと思う。
使う機会があるとすればキャンプや釣りの時ですが、これも正直無くても困らない。
昔はコールマンのガソリン燃焼機器のポンピング部分のメンテナンスにはプライヤーが欠かせませんでした。
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単車の車載工具を使う事が多かったけれど、最近のは指でひねっても外せるしねぇ・・・
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ランタンのマントルを取り付けてから余分な紐を切るのにハサミも必要でした。
ノーススターのマントルは縛る必要が無いし、小型のランタンはLEDが主流。
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まあ、個人的には海釣りで使ったり、キャンプの時にサザエのツボ焼きをやるのにマルチツールが便利なんで使っているんですけどね。
海水に浸かったり、砂浜に落としたり、醤油交じりの煮汁がかかったりするので、20年前に使っていた初代のガーバーマルチプライヤーは錆で固着して開閉不能になって廃棄。
マルチプライヤーの次に購入したカーショウも大分錆びていますな。
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他にはプライヤーが無いビクトリノックスを持っています。
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VICTORINOX(ビクトリノックス) ハントマン 保証書付 1.3713 【日本正規品】
カーショウにはハサミが付いていないのでビクトリノックスと併用していた訳ですが、カーショウは仕舞い込み寸法が長くてベルトからぶら下げてておくと邪魔・・・重複しているツールがあるので2個持ち歩くのも無駄・・・
新しいのを買うか。
まあ、各社の上位機種だと機能がてんこ盛りな訳ですが、人に見せびらかすなら多機能な方が良いけれど、実際に使うつもりだったら機能は絞り込んだ方が良い。
使わないツールが多いとメンテナンスが面倒で、それだけ錆易い。
重量も増えるし高価になるしで良い所が無い。
検討の結果、ハサミとプライヤーの使い勝手が良さそうなレザーマンのウイングマンを購入。
仕舞い込み寸法は長さ98mm、巾35mm、クリップを入れた厚み20mm。
長さはビクトリノックスとほぼ同じ、カーショウの半分。
以前は釣りの針外しを考えて、収納状態から片手でプライヤーが使用できるガーバーとカーショウを選択したのですが、釣りに使う時には予めプライヤーに変形させてベストのポケットにクリップで止めておけば良い訳です。
こんな感じに収納。
4000円を切る価格も魅力的。
今回は25年保証の付いた日本国内の正規販売品を購入しましたが、この価格帯なら海外通販で少々安い並行輸入品を買うメリットは少ないだろう。
並行輸入はブリスターパックのようだが、正規品は黄色と黒のツートンカラーの紙箱にディアスキンのポーチとカラビナ付き。
従来のレザーマンはハンドルが一枚の金属板をコの字断面に曲げた一体構造だったのだが、ウイングマンはプレスで抜いた金属板をモナカのように組み合わせてあります。
プレスで凹凸を作っているので薄い鋼材でも強度が出て、デザインの自由度も高い。
軽量化とコストダウンにも貢献していると思われます。
エッジ部分が丸めてあるので握り心地も良くなっている。
それでは各ツールの詳細。
まずはナイフ。
ハーフセレーションで刃長65mm、材質はSUS420HC。
箱出しの刃付けもまあまあで、腕の毛位は剃れる。
ハンドル部分を展開しなくてもサムホールでワンハンドオープンが可能。
もっともホールが小さいので、泥酔状態で使おうとすると親指が滑ってセレーションがザックリと喰い込むかも知れない。
個人的にはセレーションが好きでは無いのでストレートブレード、できれば上位機種のS30Vブレードに交換したいのだが・・・この手のツールで一番カットする機会が多いのは魚肉ソーセージだからねぇ。
マルチツールのブレードとしては必要充分。
ライナーロックになっています。
使用頻度の高いハサミもワンアクションで引き出せる。
中途半端に出すとスプリングが効かない。
ライナーロックが掛る迄引き出して使う。
他のレザーマン多機能上位機種に搭載されているハサミより大きく、使い易い。
もっともハサミの切れ味はビクトリノックスの方が上かな?
ビクトリノックスだとテンションが掛っていないPEラインがすぱっと切れるが、ウイングマンのハサミだとテンションを掛けないとPEラインが滑って逃げてしまう。
砥げば切れ味が向上するかねぇ?
ハンドルを開いてプラスドライバーを引き出す。
収納性重視で扁平デザイン・・・トルクを最大限掛けるような使い方はしない方が無難だと思う。
ビクトリノックスの方がドライバーも出来が良い。
いずれにしても応急用としては必要充分。
続いてマイナスドライバー。
特に特徴は無し。
タガネのような使い方をする場合もあると思うけれど、強度は充分。
缶切り/先抜き。
最近あんまり使わないけれど、いざと言う時に無いと困るツールです。
ヤスリ/小型マイナスドライバー。
長期のキャンプ生活だと爪のメンテナンスに便利・・・もっともちょっと目が荒いか?
裏面がスケールになっているけれど、これで何を測れと・・・
最近流行っているのか?プラスチックカッター。
ブリスターパックの開梱なんかに使うと便利だが、キャンプ場や釣り場では意味が無い。
別のツールに交換したい気もするが、これだけツールが揃っていれば他に特に必要な物も無い・・・強いて言えば小型のプラスドライバーだが、厚み的に交換は出来ないだろう。
さて、肝心のプライヤーですが、流石に良く出来ている。
通常サイズのラジオペンチとほぼ同じ大きさ。
レザーマンにはもっとプライヤーが小型のタイプもあるのだが、海釣り用のフックのバーブを潰したり、大振りのサザエの煮汁をこぼさないように炭火から降ろすにはこの程度のサイズは必要だろう。
先端は寸分のガタも無く、勘合もぴったり。
軽く握った状態ではワイヤーカッター部分に隙間があるが、強く握り込むときっちり合う。
何より開閉、収納のアクションがスムーズで節度があり、使用時の剛性感が素晴らしい。
流石老舗。
ちなみに付属のカラビナも栓抜きやレンチに使えます。
もっともディアスキンのケースに収納してカラビナでベルトから吊るのは正直使い難い。
ポケットに入れてクリップ止めでも良いけれど、トイレで落としそうだな。
まあ、汚れてもトルクスドライバーで完全分解できそうなので、メンテナンスは楽そうだが。
長く付き合えるか?