ABU アンバサダー 2500C

KAZU@

2010年03月07日 10:10

前回ロッドを紹介したのでついでに幾つかリールを紹介しておきます。

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ちなみにネット上にはリール関係を細かく研究されているサイトが星の数程あって、散々語り尽くされた感じもあります。

私の場合は特に変わった物を使っている訳では無いし、基本的に無改造。

参考程度に御覧下さい。

これは現在バス釣りのメインで使っているABU2500Cです。



90年代初頭に購入したのですが、リールのフット部分の刻印を見ると89年製のようです。



当時私は仕事で札幌に住んでいました。

北海道って言ったらニジマス、雨鱒、ヤマメ等トラウトの聖地。

何と言っても野生のイトウが生息しています。

札幌から猿仏迄は片道350km位あるのですが、シーズン中は毎週末に、時には日帰りで通っていました。



関東で使っていたルアータックルでは大型のイトウ狙いに全く向いていなかったので、道内の釣具店で専用品を幾つか購入。
フェンウイックの9フィート、ダブルハンドルのサーモン用ベイトロッドを購入したのですが、当時使っていたABU5600Cだと軽量なフローティングのプラグを投げるには少々辛い。

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90年代前半だと国産リールの性能も上がって来ていたと思いますが、私の年代だと釣りキチ三平の『イトウの原野』の強烈な記憶が残っている事もあり、やっぱりアンバサダーでイトウを釣りたいじゃあ無いですか。

まあ、三平君は魚紳さんから貰った5000Cを使っていたんですがね。

定価は35000円だったと思いますが、セール品を購入。



当時はオリムピックで取り扱いを始めたばかりだったかな?



購入直後にダブルハンドルに交換した以外はノーマルです。



ちょっと調べてみたら2500Cが販売されたのが1975年のようです。
当時、雑誌に載っていた宣伝キャッチコピーは、『3gのルアーを投げられる』と言った物ではなかったかと記憶しています。

購入当時はマグネットブレーキを装備した日本製が台頭していた訳ですが、こいつは昔ながらの遠心ブレーキとメカニカルブレーキのみ。



これならラパラのF13を楽々投げられるのではないかと期待していたのですが・・・やはり風が有るとベイトリールじゃ辛い。
流れの有るポイントで釣りをしている時に何かの加減でバックラッシュしてしまうとルアーが根掛かりしてしまう事もあり、結局スピニングタックルを多用する事に・・・谷地坊主がトラブルフリーのABU507を使っていた理由が良く判る。

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関東に戻って来てからはバス釣りに使用。

バス釣りには長年5600Cを使っていたのですが、手首を傷めてしまい、それ以降は軽量な2500Cをメインで使うようになりました。

手持ちの中には、もっと軽いリールもあるのですが、キャスティングの精度やトータルバランスでは2500Cが一番だと思っています。
リールの大きさや、適度に広いスプールが私の手に合っているのでしょう。



ラインとダブルハンドル付きで277g。
5600Cだと340g以上・・・重量差は60gですが、実重量の差以上に軽く感じられるのは腰が低い為か?

近年のアンバサダーはアンチリバースとなっていてスプールのガタ付きがありませんが、こいつはクラッチが繋がっていても前後に少し動きます。

ちなみに2600Cと言うサムバー付きのモデルもあって、手返しの早さと言う点ではサムバー付きに軍配が上がると思います。

もっとも私は右手に左手を添えて親指でリールのクラッチを切る『儀式』は嫌いじゃあないんですけどね。

次のポイントを狙う時に気持ちを切り替える『スイッチ』的な効果があると思うのですが。

ルアーをピックアップして次のポイントを見定める。

何処に落とすか、考える。

サムバー付きだと頭で考えるより先に腕が動いてしまう事ってありませんか?

久し振りにメンテナンスしてみますか。



トレイは100円ショップで購入、必要な工具は10mmのスパナとマイナスドライバー大小、ラジオペンチ。
リール付属の板スパナは緊急用なので普段のメンテナンスには使わない方が吉。



当時の分解図も残っていますが、図面が小さくて見難い。



品番だけで部品名は載っていません。

何のリールに付いていたのか忘れましたがABUリールの総合お手入れマニュアル。



アンバサダーとカーディナル、アブマチック、500シリーズ、ディプロマットのメンテナンス方法が記入されています。

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エビスフィッシングも既に廃業してしまっていると思いますので内容を一部抜粋しておきます。
著作権等問題有る場合は御連絡願います。

①かたくしぼった布ぎれによるふき掃除
②水洗い
③オイルとグリス





基本的にギア部分はグリス、その他はオイルを塗布するように指示されています。

グリスは一般的なスプレーグリス、オイルは純正を使用しています。



まずはハンドルを外します。
ナットを外すスパナは10mm。

Eリングの部分にオイルを注油。



メカニカルブレーキのキャップを外し、ベアリングに注油。



レベルワインドに注油。



5000系はハンドル側プレートの取り外しネジが3本なのだが、2000系は2本。



スプールを外します。



ハンドル側のフレームのベアリングのカップは5000系と異なり固定されているので、右側のユニットを外さないとベアリングに注油できません。

遠心ブレーキは一番小型の物を1個だけ使用しています。



こいつは使っているうちに摩耗しますので、定期的に交換が必要。

色々な機種のが混じっていますが、これは数年前に購入した予備の遠心ブレーキ。



最近、フィルムの空ケースって無いよなぁ・・・

遠心ブレーキの当り面も結構摩耗しています。



ブレーキカスやゴミを拭き取っておきます。
ちなみに遠心ブレーキを効果的に使う為には、この部分には注油しない事。
2500Cは旧5000系とベアリングの支持位置が異なっていて、ベアリングにオイルを付け過ぎるとブレーキドラムにオイルが回り易いので注意。

通常のメンテナンスなら、これで終了。
今回は内部のグリスUPをするので更に分解して行きます。

念の為申し添えておきますが、特に調子が悪く無ければこれ以上分解しない方が吉。

Eリングを外すには精密ドライバーを使ってこじる様に外すと飛ばし難い。



カバーを外して内部を分解して行きます。

表裏どちらからでも組める部品は分解前に並び方や向きが判るように写真を撮る。



デジカメが無かった昔はイラストを描いたものですが、便利な時代になりましたね。

相当グリスが硬化しています。

このリールの心臓部、メインギアとドラグ。



取り敢えず汚れを落として古いグリスを拭き取ります。



左のカバーを固定しているネジは緩めても脱落しないようになっていたり、旧5000系と比較してもパーツが少ないのでメンテナンス性は良好。

5000系と異なり2000系は内部に樹脂パーツが多用して有るので、グリスを落とす時に浸透性の強いケミカルを使うとクラックが入る可能性があります。
特にCRC-556は使わない方が良いと思います。

シャフトやギア周りにグリスを塗りながら組み立てます。
ABUのリールは材質が真鍮等の柔らかな金属で出来ている部品も多いので、ネジを強く締め付けると壊す可能性があるので注意。



75年の発売当時は5000系のサイズダウン版と言うイメージがあったのですが、実際中身を見ると旧5000系とは格段に進化を遂げているのが良く判る。

一番の改良点はスプールと、スプールを保持しているベアリングの位置。
スプールのシャフト径がφ3からφ5に太くなっている上にベアリングの位置をスプールギリギリ迄寄せる事で強度が大幅にUPしている。
後年リリースされるウルトラキャスト系のスプールにベアリングを組み込む手法に繋がっている訳ですな。

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パーミングカップ化以降のアンバサダーは、メカニカルブレーキの調整をハンドル側で行う訳ですが、ドラグが邪魔で調整し難い。
その点2500Cはメカニカルブレーキの調整が容易、昔ながらのダイヤル表示も良いですな。
2500Cは比較的近代的な設計で、強度と使い勝手という新旧アンバサダーの良い部分を併せ持った名機だと思う。

2500C、最近釣具店であんまり見かけないなぁと思っていたら、いつの間にか廃番になっていた模様。

まあ、基本設計が35年も前のリールなので当然ですが。

今でも私の様なオッサンには人気が有るようで、できれば部品だけでも長く流通して欲しい物だ。

ロッドは消耗品なので10年位で買い替えるけれど、リールは無茶な使い方をしなければ一生物。




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